こんにちは。PAマンの小野です。第4回は良い音を求めて出会った「建築音響」のお話をします。
建物が音づくりに影響している!?
全国の劇場ホールを回っていると、PAマンとして好きなホール、苦手なホールが出てきます。特に苦手なホールで仕事をする時の意気込みたるや この頃よく使われる“全集中”という言葉がピッタリくると思うのです。前回のリベンジなのは言うまでもありません。
PAの良い悪いを左右する重要な仕込みとしてスピーカーの組立があります。何もない舞台の上手下手(舞台用語で舞台に向かって左側が下手、右側が上手)の決められたスペースに組んでいきます。この時の自分を思い起こすとスゴイ形相をしていたと思います。
お見せできないのが残念ですが、本当に必死。
スピーカーをセットする時には、ある意味今日の覚悟をすべて詰め込むというか……。
うまく言えませんが、自分なりにいろいろとセッティングを工夫し、一本勝負を仕掛けて「さぁー!どうだぁー!!」といった感じで挑戦状を叩き付けるかのような感覚です。ただし、この作業は大変危険を伴うものなので安全第一が基本です。ホールの担当職員も見守る中、冷静沈着に戦いを進めます。もうこれは戦いです!
しかし毎回、こういった仕事の手応えを手帳に記録していて、「どうしてこのホールは苦手なんだろう?」という疑問がわいてきました。何十回も通って、その度にいろいろ変えているのに、少し良くなるくらいで終わってしまう。逆に好きなホールはそれほど悩まなくても、毎回楽に音が出せる。
そこで私は「やはり建物の影響は否めない」と思うようになりました。しかし80年代から90年代はイカ天などのバンドブームをきっかけに日本の音楽シーンは右肩上がりに拡大の一途、ライブの数が飛躍的に増えて忙しかったため、現場をこなすので精一杯。ただただスケジュールをこなす毎日でした。
その原因の追究と対策は先延ばしにしてしまっていたのです。他の人の現場でも同じ状況が起きていたと思うのですが、PAマンはそれぞれの問題を共有し合うという風土はまだ根付いていませんでした。
“あそこのホールってやりづらいよね”
“いやそうでもないよ”
“・・・・・・”
同僚とはこんな会話でした。
PAマン個々が個々の悩みとして悶々とした日々を送っていたのです。
古代の叡智が伝えていた「建築音響」
この問題としっかり向き合えるようになったのは、実は90年代後半以降です。「え? そんな最近の話なの?」と驚かれる人もいるかもしれませんが、実はそうなんです。
その頃を前後して日本の音楽シーンは拡大傾向にあり、必然的に劇場ホールだけではなくアリーナなど多目的な会場でのコンサートが台頭してきました。PAマンには更なる試練の波が押し寄せます。
この頃から建物の構造がいかに音響に影響するかという考え方に気が付きはじめます。
つまり建築空間の音響設計です。
音って音波というぐらいで波なんですよね。波は対岸に打ち寄せると必ず跳ね返ってきます。岸に向かう波と岸に跳ね返って戻る波がぶつかり合い、それまできれいな形をしていた波は乱れ、予想もつかない方向に散らばってしまいます。よく言う”ぐしゃぐしゃな音”(音の干渉)ってこれですね
“建築空間では音の干渉作用により定在波という現象が起こり自分の意図しない音場が形成されてしまう”
私たちの職場ではこんなことが起きていたのですね。
きれいな波
干渉している波
そんなことともつゆ知らず、強引に爆音にしてみたり、音にエッジをつけたり、無茶苦茶なミキシングを繰り返していました。音が跳ね返るって感じた時がチャンスだったのに!
この考え方を知って、「自分たちが悩んでいた原因はこれだったのか!」と理解できたと同時に、私はある出来事を思い出していました。
ちょっと話はそれますが、それは私が若かりし頃、ひょんなことからギリシャのアテネを訪れた時のこと。しかも格安チケットで(余談ですが、私の奥さんが航空会社勤務だったもんで。へぇへぇ、スイマセン!)。その観光旅行コースの中に古代円形劇場訪問っていうのがありまして、今思うとスゴイ体験だったなと。
大きな円形劇場に案内された私たちは、階段状の客席にそれぞれバラバラに座ってガイドさんの説明を聞きました。するとガイドさんは大きな円形劇場の中心点にある丸い小石の上に立ち、紙幣を取り出してシャカシャカとこすり始めました。その音はかなり遠くに座っていた私たちの耳もとで、シャカシャカと響いたのです。「え?こんなに離れているのに、ちゃんと音が届いている!」。計算しつくされた建物であるからこそ可能だったわけですが、こんな建物が紀元前の時代に造られていたなんて!本当にビックリでした。
改めて音場に対していかに建築音響の影響が多大であるかを認識した訳です。
アテネの円形劇場。古代に作られた建築物は、緻密な計算と理論で成り立っています。
建築音響に本格的に取り組む時期がいつだったのか?自分の手帳を基にやっぱり劇場ホールだけの時代は気が付くことがない。1988年に東京ドームがオープン、自分もその年の8月にTM NETWORKで音場を体験させてもらいました。コンサート仕様でない施設の音響に立ち向かわざるを得ない状況になっていったのです。
もちろん武道館ライブやアリーナはずいぶん前から存在していましたが、それも気が付かない時代だったと個人的には思っています。
音響業界をハッとさせたと個人的には思っている出来事があります。1998年6月布袋寅泰さんの横浜アリーナでのコンサートです。まったく新たな理論の“ラインアレイ”スピーカーの日本デビューです。電気音響として建物空間の音響設計ができるシステム。私の会社でも導入しています。
電気音響に携わる私は「建築音響」に思いを馳せるようになり、対処法を模索するようになりました。現在では音場の様子を見える化できるソフトウェアの一般化によって手軽に音響調整ができるようになりました。建築音響を意識して音づくりをする今では過去の印象とは違う会場になったところもあります。
また劇場ホールのリニューアルや新しいアリーナ・ドームなどの出現によって、非常に良い音(建築音響)が出せる建物も少しずつ増えています。
PAマンは全国の音楽ファンが感動してくれることを願って、職場である劇場ホールのみならず、人が集まるすべてを舞台に頑張っています。
PA(電気音響)機材の進歩も相まって、これからのPAマンにとって、もっともっと“いい音”が出せる機会が増えることは、間違いないです! 期待しましょう!
■PAマンのひとりごと
vol.01 はじめまして小野です
vol.02 音づくりの現場から
vol.03 街の劇場ホールが私たちの職場
vol.04 音づくりの基本「建築音響」との出会い
小野 良行 ヒビノ株式会社 サウンドシステムデザイナー
1976年にヒビノ電気音響株式会社(現ヒビノ株式会社)入社。
コンサート音響部門に所属し、数々の海外アーティストを手がけ、国内アーティストのツアーにも多数参加。ライブのサウンドエンジニアとして、56アーティストのチーフエンジニアを担当するなど活躍。現在は、大規模なイベントプロジェクトの音響を受け持ちながら、後任の育成などを担当している。
こんにちは PAマンの小野です。
ご無沙汰しています。2020年4月1日のvol.2を最後にコラム「PAマンのひとりごと」が途絶えてしまい、申し訳ありませんでした。
新型コロナウイルスの襲来は、私のPAマン人生において最大の出来事です。そんな中でも皆様に楽しんでいただこうと、野外フェスシーズンに向けて一度は筆を執ったのですが“なにを悠長につぶやいているんだ! そんな場合か!!”と天からの声が聞こえてきて、自分があまりにも“浮世離れしたお気楽くん”であると感じて、フリーズしていました。
人々が集まれない事態、これは何を意味するのでしょうか? 大勢の人がいてこそライブです。本当に大変な場面に直面して、改めて驚いています。しかしながら、リアルを取り戻す努力も世界中で行われています。
このタイミングでこのコラムを再開させていただきます! どうぞよろしくお願いいたします。
前回の告知で大型フェスについてお話しすると書きましたが、ちょっと変更させてください。今回から2回ほど、PAマンの基本部分である「音づくり」の中でも、建物との関係性についてお話します。
私たちの職場は劇場ホール
音響チーム 照明チーム 楽器チーム 大道具チームが仕込みを行っています。それぞれの職場として中心になるのが劇場ホールのステージです。
「PAマンの職場は?」と聞かれたら、コンサート会場と答えることになるでしょう。コンサートツアーでは、北は北海道、南は沖縄と、全国の劇場ホールを回ります。それぞれの街にある劇場ホールがPAマンの職場であり、そこにPAを持ち込んで音を作るのが、私たちの仕事です。
ただし全国を回っていても、行動範囲はその街の劇場ホール、宿泊ホテル、飲み屋街の3拠点だけ。ちょっともったいないですね(笑)。だから観光旅行的なことは、一切していません。コンサートが終わって片付けて、それからバスで4時間ぐらい乗り、朝方3時ぐらいにその次の町のホテルに入るというサイクルで、それが4、5日続く時もありました。
そんな時でもいろいろな土地を訪れるのは、とても楽しかったです。特に、4、5日現場が続いた後の移動日は楽しみでした。その日は次の街へ移動するだけ(前乗り)。電車だったりバスだったり、ゆっくり起きて集合して移動、束の間のゆっくりタイムです。
繁華街を探索したり、買い物したり、仲間とごはんツアーを企画したり…
なんてことはないことが、”旅”の一番の思い出です。
なぜ毎日音が違うのか
全国の街を何度か訪れていると、その街のホールの特徴が分かってきます。ここはやりやすいとか、逆にやりにくいとか。私は手帳(全国劇場ホールのデータが記されているヒビノ手帳)に、“今日の点数65点。低域の処理が難しい”などと、その日の出来具合や印象などを記入するようにしていました。そして「次回訪れる時には、これを見返してやろう!」と心に決めて、1点でも評価が上がるように心血を注ぎます。
毎公演、その時感じたことを手帳にびっしり書いていきます。これは私にとって大きな財産ですね。
※現在45冊目に突入しています。
そうやって毎日ツアーのスケジュールをこなしていく中で、ふと「同じ機材なのに、どうして毎日音が違うのだろう?」と疑問を感じるようになりました。
しかし忙しさの方が勝っていて、それがなぜかを突き詰めて考えることができません。特に80、90年代はスケジュールが詰まっていて、多いときで日本を年に4周ぐらい回りました。出張(私たちは“旅”と呼んでます)の日数は多いときで120泊を超え、1年の3分の1は家に帰れません。ほとんど遠洋漁業の方たちと同じような境遇でしたね。
だから音の理論をしっかり学ぶ時間を取ることは不可能でした。スピーカーのスタイルやマイクを変えたり、ミキサー卓のクオリティなどに思いを馳せたり、自らのクセを反省したりと、とりあえず自分ができる範囲で対処していったのです。そのうち「この音の跳ね返りはヤバい! 厚手のカーテンとか、壁につけたいよ」などと電気音響以外のことまで考え始めたりして。飲み屋での話題では「どうして“いい音”が出ないのか? 良い音がしないのは生音が原因か? ホールのせいか? いや自分でしょ!」なんて冗談も混ぜて言い合ったりしました。当時は“1mmでも良い音を!”ということしか考えていなくて、そんな話ばかりしていましたね。
北海道のとある街を訪れた時のお話です。本番終了、バラシも終了! 後は夜の街へと出かけるだけ。その小さな街の繁華街には夜になると2、3軒ほどのお店しか営業していなくて、私たちチームは入れる店に入るという状況でした。店内は今では体験できない3密状態で大盛況。そしてコンサート帰りのお客さんが多く、周りの話題は今日のコンサートのことばかりでした。
大好きなアーティストのコンサートを観ることができて少し興奮気味な人もいて、店内はワイワイ、キャーキャー。「サイコー!」なんて聞こえてきます。静かな街ですがここだけは別です。そのうち女性のグループの話し声が耳に飛び込んできました。
「今日、音が聴きづらかったよね」
「そうそう! なんかモヤーっとしてさぁ」
“えっっ! 聴こえづらかった!?”
PAマンとして、さすがにこの話はショックで。どんなふうに聴こえづらかったのか、直接話を聞いてみたい衝動にかられましたが、冷静を保ちながらもじっと考えていました。
「どこの席にいたんだろう?」
「どの曲の時だろう?」
「ローが多すぎたのかな? 今日のホール悪くないのに」
と、ひとりごとをつぶやく私がいました。
でも一向に「これだ!」という解決策に出会うことができませんでした。その後、「建築音響」という建築空間と音響設計の関係性を研究する学問があることを知ったのは、だいぶ後のことになります。
次回は「建築音響」について、お話したいと思います。
■PAマンのひとりごと
vol.01 はじめまして小野です
vol.02 音づくりの現場から
vol.03 街の劇場ホールが私たちの職場
vol.04 音づくりの基本「建築音響」との出会い
小野 良行 ヒビノ株式会社 サウンドシステムデザイナー
1976年にヒビノ電気音響株式会社(現ヒビノ株式会社)入社。
コンサート音響部門に所属し、数々の海外アーティストを手がけ、国内アーティストのツアーにも多数参加。ライブのサウンドエンジニアとして、56アーティストのチーフエンジニアを担当するなど活躍。現在は、大規模なイベントプロジェクトの音響を受け持ちながら、後任の育成などを担当している。
お気に入りのスーツケース持っていますか?
イベントや音楽は自粛が長く続き、現在も以前の状況には程遠いのが現実です。
それでも、対策を進め、本当に少しずつですが、
「音楽の現場」が戻ってきています。
音楽現場で働くstaffのスーツケースは丈夫で機能優先。
とはいえ、遊び心がないのも、つまらない。
仕事現場でも、プライベートでも、ちょうどいい。
心躍る移動の時間に。
出張の始まりは、
お気に入りの“スーツケース”で行きませんか?
3社コラボレーション
<< A.L.I + minca = HIBINO LIVE STYLE LAB >>
今回、音楽現場staff約100人に
「現場で使う、おすすめグッズはありますか?」と
アンケートを実施したところ、
10社以上のスーツケース製品の名前があがりました。
今回コラボレーションをしている
A.L.Iで知られる“Asia Luggage”さんも
こちらのアンケートで名前があがった1社。
普段からA.L.Iを利用する
映像staff歴25年の小林さんにお話を伺いました。
― 機能に優れる“A.L.I”。具体的にお気に入りポイントは?
「まずは“静穏性”です。
現場は深夜帰宅が多く
車輪の音がうるさいと近所迷惑にならないか、結構気になります。
その点、A.L.Iの車輪は静穏性抜群。
なめらかに滑り、深夜の帰宅も音が気にならなくなりました。」
― アフターサポートが使い続ける決め手。と聞きましたが
どんな内容だったのでしょうか?
「コロナ前は、ツアーで出張ばかりの日々でした。
耐久性は問題ありませんが、
使い込みすぎて車輪が1つ壊れてしまいました。
1週間後にはツアーで使う為、急ぎで問い合わせ。
修理に通常なら2~3週間のところ、1週間以内で引き受けてくださいました。
戻ってきたスーツケースは、車輪4か所すべて交換されていて、
さらに、間の仕切りのほつれも綺麗に!
修理代数千円でここまで対応してくださり
すごいな!と思いましたね。」
― HIBINO LIVE STYLE LABオリジナル、実際に使ってみてどうですか?
「とてもよいです!
おしゃれな持ち手に視線も感じ、少し誇らしい気持ちに(笑)
長時間の移動が、心躍る時間になりました。
ラゲッジタグには名刺を入れている仲間が多く、私もそうしています。」
― 1週間の出張でしたが、サイズはどうでしょう?
「大きすぎないのに、しっかり入ります。
通常の着替えはもちろん、現場で使う靴、長袖の上着、帽子、レギンスなど
仕事道具も入ります。
仕事ではタクシーに相乗りする事が多く全員スーツケース移動なので、
サイズ感が大切なのですが、ぴったりでした。」
仕事でも、プライベートでも。
HIBINO LIVE STYLE LABオリジナルは
どんなシーンにも使いやすさを感じてもらえる商品です。
久米繊維工業をご存知でしょうか? 日本でまだTシャツという名前が知られていなかった1950年代半ばに、当時肌着メーカーだった久米繊維工業は、Tシャツ姿のハリウッドスターに憧れ、日本の技術を持って「色丸首」を開発しました。東京本所石原町の工場で生地、型紙、色、縫製全てに工夫を重ねて産声をあげた「色丸首」こそが、日本Tシャツ文化の始まりなのです。
日本の職人によるきめ細やかな手作業にこだわり半世紀もの間作り続けてきたTシャツはもちろん最上級。高級感を大切にするモードブランドも別注することからもその質の高さが伺えます。
PAエンジニアとしてハードに動くヒビノスタッフのワークウェア。
そんなTシャツにおける最高技術を誇る久米繊維工業が2020年に開発した新定番「“楽”Tシャツ」に胸ポケットを加えた別注は、仕事現場でハードに動くヒビノスタッフのワークウェアとしても使用されています。ゆったりしたシルエットに、着心地の良さ、丈夫さはスタッフにも好評です。
では、その“上質感”はどんなこだわりから生まれるのでしょうか? まず衿にはのびにくいように、目の詰まったフライス生地を使用し幅を広く厚みを持たせています。また、身頃は太目の20番手の糸を使った天竺編みなので、透け感がなくほどよい厚みで、カジュアルさと質の良い着心地を両立したのも特徴。日本の実直な仕事を体感できる、洗いこんで味わいを増す生地となっています。
さらに、袖口や裾は縫い目が伸縮する天地引き、横方向への引っ張りに強く、ほつれや糸切れを低減。そして、筒状の1枚の生地から作る「丸胴」で脇の下に縫い目がないため、より着心地の良いTシャツと仕上がっています。
それでは、実際着てみた時の感覚は? 実際に着用するPAエンジニアの3人にその魅力を語ってもらいました。
PA作業中はもちろんオフの普段着でも。上質で機能性が高いヒビノオリジナル「“楽”Tシャツ」。
■現場の服装に何か決まりはありますか?
熊谷(以下熊):PAエンジニアは暗黙の了解としてだいたい上下ブラックの服装ですね。
村上(以下村):現場にもよりますが、短パンがNGの所もあります。オーケストラ系はダメとか。
熊:客層によって私たちの服装は変わったりもします。でも、ライブ本番は基本的にツアーTシャツですね。ただ、ディナーショーなどでスーツの時もあります。
吉田(以下吉): 作業内容に合わせて、短パンTシャツ、黒長ズボンや黒パーカーなどを使い分けています。リハーサル中などは、動きやすく作業がしやすいTシャツは重宝しますね。
■普段の出社ではどのような服装でしょうか?
熊:入社した頃は、現場と同じような全身黒の格好で通勤していました(笑)。それを見た先輩から「通勤と作業時の服装は分けた方がいい」と言われたことがあって。今は普段着で出社しています。
■では、今回のヒビノオリジナル「“楽”Tシャツ」を着てみていかがでしょう?
熊:着心地が良くて動きやすいです。ゆったりとしていますが、だぶだぶではなく作業しやすいと感じました。また丈が長めなので屈んだ時に背中が出ないのもいいですね。また、通常のTシャツは繰り返して使用するので、首回りがヨレヨレになってしまいます。ただ、この「“楽”Tシャツ」は丈夫なので長くもってくれそうで嬉しいです。
吉:胸ポケットがついていますが、業務の中で機材や資料にメモ書きをします。ポケットにはそのペンを入れたりでき、使い勝手もいいですね。
村:シンプルで上質なロングTシャツ。オフの時もカジュアルな服装をすることも多いですが、上質感があってシルエットも綺麗なので、現場だけではなく日常で使えるのも魅力です。
大人こそ普段着使いしたいTシャツ。
ヒビノオリジナル「“楽”Tシャツ」、いかがでしたでしょうか? アウトドアブランドなども同様ですが、もともとハードに働いたり動いたりするプロの方々がより高いパフォーマンスができる機能性を兼ね備えているのが特徴です。肌触りのよさや着心地の良さも優秀です。近年、そんな機能性が高く無駄を省いたベーシックなデザインが日常着として愛用されています。
この「“楽”Tシャツ」もそれと同じく、ヒビノPAといった現場で働く方々に好評な機能性を兼ね備えています。丈夫でほどよくゆったりした綺麗なシルエット、上質な素材感。ブラックのロングTシャツといった定番ですが、「“楽”Tシャツ」普段着に取り入れれば、大人っぽく上品な印象になるはずです。
Text:編集部
ヒビノ×久米繊維工業 オリジナルロングTシャツ
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もちろん、映像から楽しみたい場合は、配信映像をテレビやプロジェクターの大画面で再生して、ホームシアターシステムで音を出すのがいいと思います。しかし、人によっては他の家族の迷惑だったり、夜中に音を出せないということも。そこで、今回は、自宅スペースで個人的に楽しむデスクトップオーディオの環境をつくって、自分の好きなタイミングで「おうちライブハウス」を楽しむ方法をご紹介します。
その1:ヘッドホン
これまで、配信ライブを視聴するときには、ライブらしい大きな音で聴きたいこともあり、スピーカーではなく、主にヘッドホンを使っていました。装着感が軽くて、外部の音も聞こえるオープンエアタイプのヘッドホンは音楽を聴きながら仕事するときなどに使っているのですが、やはりオープンエアなので外に音が漏れるし、外の音が聞こえてしまうこともあって、配信ライブには向かないと感じていました。
仕事用に密閉型の業務用モニターヘッドホンもあるのですが、映像編集や撮影のときのサウンドチェックに使うだけあって、その情報量の多さに配信ライブを長時間聴くにはちょっと辛い。
そんな中、こういうご時世ということもあってか、最近では配信ライブ用というヘッドホンが登場してきました。そこで、今回、その中のひとつを入手してみたのですが、これがなかなかいい。業務用のモニターヘッドホンをベースに配信ライブ用にチューニングされたものですが、イヤーパッドも左右非対称で耳へのフィット感も良く、長時間の使用でも疲れにくい形になっているのも嬉しい。
音のキャラクターは、業務用に比べて低域の情報量を抑えて、聴きやすくしつつ、中高域のギターやボーカル、サックスなどの輪郭は、モニターヘッドホンよりもくっきりして、前に出てくる感じで、全体的にスッキリした印象。そして驚いたのが、かなり音圧があること!ボリュームのつまみの位置で言えば、業務用が2時の位置ならば、こちらは12時ぐらいで同じ音量に聞こえます。配信ライブは、音量が低めのことがあるので、これはなかなかいい感じです。
その2:DAC(D/Aコンバーター)
なかなか一般には馴染みの薄いものですが、せっかくデスクトップオーディオ環境を構築するなら、できれば用意したいのが、PCとUSB接続して使う「USB D/Aコンバーター(DAC)」。元々は、レコーディングスタジオの機材としてアナログであるマイクロフォンなどの機材から、デジタルレコーダーに「アナログ→デジタル変換するA/Dコンバーター」と、デジタルレコーダーからアナログのアンプやスピーカーから音を出して聞くための「デジタル→アナログ変換するD/Aコンバーター」に分かれていたこともあり、今も録音向けのA/D機能に特化したものと再生向けのD/A機能に特化したものの2つに分かれています。
PCもスマホも中身はデジタルですから、チャットや電話用のマイクやイヤホンのために、このD/Aコンバーターは内蔵されていますが、用途としては音楽用というより通話などの音声用なので、音質はやはりそれなりです。専用のDACとPCやスマホのヘッドホン端子と音質を聴き比べると、左右の音の広がりや低音から高音までの広がりなどの違いに驚かされると思います。配信ライブでのライブの空気感や演奏のリアリティをより感じるためにも、ぜひ揃えたい機材です。
上の写真、2段積んでいる下の機材がハーフラックサイズのレコーディング用DAC。コンパクトながら、ファンタム電源付きのバランスマイク入力があり、USB給電のみで動作して電源が別にいらないなど、これ1台でデジタルレコーディングができるので撮影の現場で使っています。
上が再生用のDAC。再生専用だけあって、いろいろなデジタルのフォーマット変換に対応しており、一般的なCD音質の16bit/44.1khzからハイレゾの32bit/768khzだけでなく、DSDフォーマットも変換できます。配信ライブはネット環境さえ許せば、CD音質以上のハイレゾ対応のものもありますから、こういう再生専用DACがあるとより良い音で楽しめるのでおすすめです。
その3:モニターとブラウザ
配信ライブ環境でやはり大事なのが映像の部分。自分の場合は、デュアルディスプレイの2画面に同じ映像をミラーリングして出したほうが、没入感が増します。両方同じなのになぜか広がりを感じるので、2画面お持ちの方は、ぜひお試しください。配信ライブの中には、2つのチャンネルを使って、違うアングルから配信しているものもあり、そのときには2画面で別々の画面を表示させて楽しんでいます。
そして最後に、映像を見る上で大事な情報をひとつ。
配信ライブは、YoutubeLiveを使うことが多いのですが、Youtubeは視聴するブラウザによって音質が変わることをご存知無い方が多いかと思います。
MacならばSafari、WindowsならばEdgeが標準のブラウザなのですが、実はGoogleのChromeを使った方が、配信のクオリティが良いのです。どう違うのかという技術的な話は難しくなるので割愛しますが、違いはYoutubeの画面を左クリックすると出てくる、以下の画面の詳細統計情報で、音と映像のコーデックの種類をみることでわかります。
下の画像は、上がMacのSafariで見たときの情報、下がChromeの情報です。
Codecsの表記に映像と音声の圧縮方式が表示されているのですが、avc1.640028(137)は映像の圧縮方式で上下は同じですが、その後ろ、mp4a 40.2(140)と、opus(251)と上下で異なっているのが音の圧縮の仕様です。下のChromeに表示された、opusはmp4aよりも広い音域を持っています。両者の違いを知りたい方は、opus mp4aで検索してみてください。
自宅でライブを楽しむ3つの方法をご紹介しました。
まだまだ巣ごもり状況が続きますが、是非この機会にデスクトップオーディオ環境を整えて、大好きなアーティストのライブを自宅で思いっきり楽しむ「おうちライブハウス」で「Stay Home」を楽しく過ごしましょう。
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日々、伝えられるコロナ感染者数。日本、世界ともに外出規制を行った春から時が経ち、今はコロナを意識しながらも、様々な文化的分野が再度立ち上がる動きをみせている。
では、音楽業界ではどうか。リモートフェスなど人との接触を避けながら行われてきたライブ活動。ただ、どのアーティストも願いは一つだった。“また、いつか必ずみんなの前でライブする日が来ますように”。
まだまだ続く自粛ムードの中で、ライブを行うためには、誰かが先陣をきってアクションを起こさなければならない。9月に開催予定だった「スーパーソニック」は、そんな音楽・フェス・ライブ業界にとって、力強い希望の光となるはずだった。
ただ、世界的にコロナ感染は拡大を続ける現状。「新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止」対策下における日本への入国規制の見通しが立たないこともあり、「スーパーソニック」は来年へ延期が決定した。
『SUMMER SONIC 2020 Archive Festival』を開催
サマーソニックの主催者であり、今年はクイーンの招聘を手掛けるなど洋楽シーンを牽引するプロモーターのクリエイティブマンプロダクション。毎年、幕張メッセで行われていたサマーソニックだが、今年はオリンピックイヤーのため会場が使えないことからコロナとは関係なくお休みのはずだった。
が、コロナという想定外の危機が世界を襲ったため、サマーソニック以外のフェスや来日予定だった海外アーティストのライブを中止や延期せざるをえない状況に。その数、なんと30アーティスト以上だという。そういった音楽業界の流れの中で、国内外問わず、ライブが規制されリモートフェスなど映像でのライブ映像が届けられる日々が続いてきた。
そんな中でサマーソニックは、オンラインフェスティバル<SUMMER SONIC 2020 Archive Festival>を夏に配信した。これまで<サマーソニック>に出演したアーティストたちのライブ映像を各日24時間限定で配信するというもの。自宅にてゆっくりと好きなアーティストのライブ映像を楽しむことができた。
一度限りの『SUPERSONIC』を開催予定だったが来年に持ち越し
昨年、サマーソニックが20周年を迎え大成功を収めた。ただ今年はオリンピックイヤーだったため、会場でもあった幕張メッセが使えずに、お休みのはずだった。ただ、野外ライブとしてメイン会場だったZOZOマリンスタジアムやビーチ、外周は使用できるということで、クリエイティブマン30周年というのもあり、一度限りの音楽フェス、スーパーソニックを行う予定で進んでいた。来日アーティストは、「THE 1975」、「FATBOY SLIM」、「SKRILLEX」、「LIAM GALLAGHER」から日本からも「ASIAN KANG-FU GENERATION」、「きゃりーぱみゅぱみゅ」などなど豪華布陣。ただ、現在の社会の状況から、海外アーティストの日本来日への不安、来場者の「行っていいのかな」という不安が一層大きくなり、来年に持ち越されることになった。
【THE 1975】
【LIAM GALLAGHER】
【SKRILLEX】
来年こそは。諦めずに希望を持ち続けよう
今回のスーパーソニックの延期は、音楽ファンとしては、フェス再開の兆しとして先陣を切ってくれると楽しみにしていた。ただ、社会状況から考えると今回の延期は仕方がないこと。アーティストや音楽ファンの“これまでのようにライブを楽しみたい”。これは、もう少しおあずけにはなったが、今できることは、諦めずに希望を持って、パワーをためておくことかも。
来年、社会の状況がどう変化しているかは誰もわからない。ただ多くの人々の努力により健やかな社会が戻ってきて、これまでのようなフェスが再開できるようになったら、ためておいた音楽へのパワーを爆発させたい。我慢や苦労した分、希望がかなった時の感動はひときわのはずだ。
Text:編集部
新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大リスクを高めるとして、ライブハウスは政府から休業要請を受け未曾有の窮地に立たされ、人々が密集する音楽イベントやフェスは軒並み中止に追い込まれている。さらに、日本では緊急事態宣言が出ていた春は「STAY HOME」として、音楽イベントどころか大都市をはじめ街を歩くことさえ非難の対象とされた。
この戦後最大とも言える危機のもと「音楽イベントどころじゃない」と諦めてしまうのか……いやそうじゃない。この状況下だからこそ、人々を鼓舞する音楽が必要なのだ。
そんな熱い思いのもと、趣向を凝らして行われたオンラインフェスを紹介する。
「STAY HOME」を大切にしつつ、人々に勇気と元気、安らぎを与えてくれた。
世の中が困っている危機だからこそ、勇敢に立ち上がる人たちがいるのだ。
『UCHI ROCK FESTIVALーうちロックフェスティバルー』
5/3(SUN)
コロナ禍の影響で外出できないGW期間中に「皆さんに少しでも自宅で楽しんで頂きたい」という想いのもと、京阪神エルマガジン社の月刊誌『SAVVY』と『Meets』が開催したオンラインフェス。
「雑誌の取材ができない中、GWは私たちも制作でやれることがなくて。読者のみなさんも連休は家で時間を持て余してしまうのではないか。じゃあ、今僕らに何かできることはないか……それで考えたのがこのオンラインフェスです。企画をたててから2週間、声をかけてこれだけのアーティストが賛同し、今回参加してくれました」と両雑誌の編集長、松尾氏と竹村氏のお二人。
MCは、FM802中島ヒロト氏が担当。豪華な参加アーティストが自宅やさまざまな場所で、密をさけて遠隔で演奏した映像が届けられた。
【Artist Name_SHINGO★西成】
トップバッターは『SHINGO★西成』。昨年秋リリースした曲「日焼けしたって俺らは黄色い」をラップ。そして「できたての詩ができたのでやってみようかと思う。フレッシュなんで」と新曲を披露。「大切な人の言葉は頭じゃなくて心で記憶しような。まあ、人間それほどアホじゃない、そう信じたい」と人情味溢れる歌が心に響く。「いつも応援してくれているみんな、つないでくれたいつも取材してくれる仲間。おおきにな。今日はみんなを元気にしたくて。コロナは世界中はじめてやから、乗り越えたらみんな仲間やと思います。今は敵を作らんと。敵は人じゃないし。みんなで乗り越えましょう」
【Artist Name_奇妙礼太郎】
続いて、『奇妙礼太郎』は、アコースティックギター1本での弾き語り。『ビートルズ』の「black bird」を演奏。名曲の独特のアレンジに心踊り、透き通る歌声に心休まる。そのまま流れるように次の曲「ハミングバード」に。弾き語りにぴったりの、ゆったりと思いを馳せるような感覚。3曲目はファンも多い「エロい関係」を披露した。
【Artist Name_metome,uratomoe,speedmeter.】
主催の雑誌『Meets』でお肉を食べる連載をしている、浦朋恵氏。「ここ数年おうちでこんなに長く過ごすことがなかったので戸惑っていましたが、家にあるレコードを聴き返してみたり、持っている本を読み返してみたりしていたら『あれ。家って自分が選んだ好きなものしかないな』と改めて認識しました」。自身が書いた「午後に霧」と『speedmeter.』が作った「エレファントエイジ」を演奏。民族的な雰囲気と浮遊するような音源は、真夜中をゆっくりとたゆたうリラックス音。
【Artist Name_Miyuu】
「コロナウィルスの関係で思うように、ライブが出来ない日々が続いていますが、私は家に居る時間が長いので料理に挑戦したり。また部屋の模様替えや動画を作成したりしています。明るい未来はまた必ずやってくるので今は音楽のパワーで少しでも癒しを感じてくれたらいいな」。『Miyuu』は2月にリリースしたアルバム「BLUE・S・LOWLY」から「no one」「Sing Love Song」を含む全3曲を弾き語り。フレッシュで力強い歌声に癒される。
【Artist Name_カマチュー (DENIMS)】
お次は『DENIMS』のボーカル、カマチュー 氏。ファンク、ロック、ソウルなど多ジャンルがMIXされた楽曲の『DENIMS』の音源を、フォークな雰囲気にアレンジ。ファンが大好きな「カーテンコール」、「おたがいさま」を熱唱。
【Artist Name_おかゆはつこい (DENIMS)】
「タイトルはまだないのですが新曲です」。スローテンポでしっとりと歌いあげる楽曲が心に刺さる。「みなさんはどういう風に自粛期間を過ごされているのでしょうか。僕は明らかに飲酒量が増えましたね。あとは筋トレしたり、ご飯は魚野菜をメインにしたり。みんな好きなようにおうち時間を楽しんでください。GWはみなさんもどこか行きたい気持ちはあるんでしょうけど今年はグッとこらえて家にいて、こういう配信などやっていると思うので楽しんでください」。しっとり、ゆったり優しい「おやすみ」を演奏。文鳥が背景で飛びギターに乗るといったオンラインだからこそ見れる微笑ましい光景も。
【Artist Name_竹内アンナ】
「今とても大変な時ですけれどもこうして歌う機会をもらえて、ほんまにほんまにほんまに嬉しく思います。家ではギターを弾いたり。楽曲制作をしたり、機材をいじって遊んだりして。他の時間は大好きなアニメや漫画を読みあさったりして過ごしています。今だからこそできることもたくさんあると思うのでたくさんインプットしていきたいなと。でも早くライブしたいし、みんなに直接音を届けられる日がきますようにという願いをこめて大切に歌おうと思います。みなさんとの待ち合わせまでの時間を彩れるような、そんな一曲をもってきました」。人気曲「B.M.B」を弾き語り。ギター1本でグルーブ感のあるギターに透き通る声がのり、自然と体が動きます。
【Artist Name_KEISHI TANAKA】
「KEISHI TANAKA」は過去に動画配信した映像を提供。こういったセットリストもオンラインフェスならでは。しっとりとしたハイクオリティーな音源に和みます。
【Artist Name_Sundayカミデ】
「スーパークライシス、乗り切りましょう」。中学時代、はじめて先輩とレゲエクラブに行ったときの青春ソング「93年の唄」。音楽好きの青春の甘酸っぱい体験。クラブ初体験の情景がはっきりとイメージでき「いいなあ」と思いをはせる。
【Artist Name_ jizue】
「暖かくて良い季節になってきましたが、今年はおうちで元気にお過ごしですか? 4月はほとんど家から出ていませんが、家中のものを断捨離したり友達の農家さんからおいしい野菜をとりよせたり。音楽と向き合う時間もたくさんあるような、おうち時間を過ごしています。 仲の良いレーベルメイトのバンド、NABOWAと完全リモートで「Sketch」というアルバムを制作しました。売り上げは全て関西のライブハウスやクラブに寄付されます。今、少しでも音楽シーンの役にたてればという思いで、本当に音楽がすきな仲間と楽しく作りましたのでチェックしてください」。音楽でできることをやろう!という素晴らしい想い。楽曲「grass」と「sister」をギター、ベース、キーボの3人のメンバーがリモートセッション。リラックスできるインスト。通常とは違うアレンジにファンも「新鮮!」と好評。
【Artist Name_NABOWA】
「全くライブができなくなったわけですが、かつてないほど大変な事態になっていますね。例年だとライブやりまくっている時期ではあるんですが、できなくなったのでさあさあどうしようとメンバーで連絡をとって会議したのですが、こういう時期しかできないことって作曲なんですよね。全員が時間があいていることってあんまりないので「曲作るしかないでしょう」ってことでかつてないほどのモチベーションとスピードで曲をたくさん作っています。作曲をするのに密に連絡をとりあうので、今は会えないんですが、次ライブをやるときには、お互いより濃密な関係になっていればいいなと。それを楽しみにして今家とスタジオを往復しています。やりたくてできないこともあるかと思いますが、逆に今しかできないこともたくさんあると思うのでぜひ何かを見つけておうちで過ごしてください」。浮遊感のあるジャムセッションは個々の技術の高さも感じ取れてライブとはまた違う発見が。
【Artist Name_中納良恵(EGO-WRAPPIN')】
そして最後のトリを飾るのは『EGO-WRAPPIN'』の中納良恵氏。「近頃はみなさんもおうちで過ごす時間も増えたかと思いますが、私も家でひたすらピアノ弾いて、ご飯作って。あと韓流映画にハマっています(笑)。韓流ってすごいっすね、今更ながらですが『ようできとるなー』って。楽しんでおうち時間を過ごしています」。しっとりと落とされた照明の中、ピアノの弾き語り。「大きな木の下」はスキャット感があり、体が勝手に動く。続いて「ソレイユ」「濡れない雨」を静かに力強く熱唱。「水中の光」はしっとり、神秘的。実際のライブでは体験できない、まるでご自宅におじゃまして引いてもらったような体験。
『BLOCK.FESTIVAL vol.0』
4/18(SAT)
☆Taku Takahashi (m-flo)を中心に「STAY HOME,STAY CONNECTED」のスローガンを掲げて開催するオンラインフェスが行われた。配信はPC/モバイルからLINE LIVEで視聴するもの。投げ銭システムを使い、視聴者が投げ銭することで後日、自宅にフェスTシャツが届くというもの。その売り上げは参加アーティストへの還元や未来のフェス資金などに当てられた。
参加アーティストは豪華。『Chara』、『Shinichi Osawa』、『Kan Sano、『SIRUP』、『AAAMYYY』、『TENDRE』、『☆Taku Takahashi(m-flo)』といった錚々たるメンツが揃った。
各アーティストも「STAY HOME」をやりながら、ライブを配信。初めてのオンラインライブということで配線の乱れなども時にはあるが、逆に手作り感やライブ感を感じとれ、一緒の時間を共有していることを実感。また、例えば『Chara』は自宅にて演奏。息子と一緒に『Bill Withers』の楽曲をセッションするといったサプライズな一幕も。
『BLOCK FESTIVAL』はこのvol.0を皮切りに、vol.1も開催した。
STAY HOMEでも音楽の力を実感!
ライブハウスの休業要請やフェスの中止など世の中として「人前でライブができない」状況のもと、そのピンチを新しいアイデアで乗り越えた音楽シーン。視聴者からするとやはり実際のライブを思い切り楽しみたい気持ちはありますが、オンラインフェスによってプロのミュージシャンたちの弾き語りを体験できたのも、逆に嬉しい体験かも。
大変な状況で諦めるのではなく、発想を変えて新しいことに挑戦する。
そんな前向きな気持ちに、美しさを感じます。
Text:編集部
こんにちは。PAマンの小野です。第2回はPAの仕事の中身にまつわるお話ができればと思います。
リアルタイムで伝える仕事だからこそ
失敗は許されない
PAはPublic Address(パブリックアドレス)の略称で、日本語では「大衆伝達」を意味しています。要するにたくさんの人に情報を伝える仕事なんですよ。アーティストの表現したい音楽を、一度に大勢の人間に、リアルタイムで正確に伝える。このリアルタイムというのが大きいのです。たとえばレコーディングミキサーであれば、録音した音源をスタジオに持っていって、一生懸命一晩かけて、ああでもない、こうでもないと手を加えて、バランスを考えながら作る、それが CD という完成品になるわけです。でも PAはその場限りの仕事だから、やり直しはない。非常に緊張感はあるけれど、逆にそういうところが楽しさでもあります。
もちろん人間だからまったく失敗しない、というのは難しい。だから周囲に気づかれないようにする技術を持つのも、PAに必要な要素ですね。PAは経験を積む過程で機械の特性を知り尽くすようになり、非常時にはとっさの判断で、機械を応用して使うことができるようになるんです。
私自身、かつてこんな失敗がありました。あるヴォーカリストのツアーでテレフォンという歌詞にエフェクトを掛けてテレフォン テレフォン テレフォン♪ と余韻を残し、その間にシーンチェンジをする演出がありました。当時はテープエコーという、録音テープが回転してその効果を出す機械で操作をしていました。しかしある日 いつものようにエフェクトをかけようとしたところ、なんということでしょう。カラカラと音がしてそちらを見ると、テープが切れて空回り!
とっさに「ヤバい! 演出が台なし!」と思い、無意識にReverb (リバーブ)※という機械のタイムを最大に。フェーダーの上げ下げでテープエコー効果を出すことで、ことなきを得たという体験をしました。思い出すとゾッとするようなハプニングでしたが、今はデジタルの機械なのでこのようなことは起こりませんのでご安心を(笑)。
公演前の準備。大勢のスタッフが忙しく走り回ります。
三人一組で構成されるPAチーム
その役割とは?
基本、PAは3人1チームで仕事をします。アリーナやドームといった会場の規模が大きくなると、ケアする面積も増えていくので、チーム数も増加していきますが、三人一組の単位は変わりません。
3人の役割についてご説明しましょう。まず新人や経験の浅いメンバーがPAアシスタントです。業界的には「3人目」と呼びます。仕事としてはマイクを立てたり、ケーブルを巻いたりといった雑用を一通り担当します。アシスタントの仕事は毎日やっていればすぐ覚えられるので、次のステップを常に意識しながら、仕事をする必要があります。ステージ上のミキサーの人がその3人目を使ってバランスを作っていくのですが、場合によってはミキサーの人がステージに行き、3人目を卓のところに行かせて、作業を指示します。そうやって次のステップである卓を覚えて、2人目の仕事を理解していく。2番目の人が来られなくなったときに「やってみろ」と言われて、そのままスムーズに仕事ができれば、2人目としてデビューできる人もいます。
ナンバー2はモニターミキサー、またはモニターマン。人によりますが、この2人目になれるまで3年ほどかかります。2人目はアーティストとやり取りをする仕事。ステージでアーティストに聞かせる音をつくる人です。
アーティストとのコミュニケーションをいかに取るかが問われ、一番の正念場と言えるでしょう。一般教養や常識といったものがより求められるようになります。
通常、コンサートが始まる前は2、3週間スタジオでリハーサルが行われます。すると、音響関係でもいろいろな問題が発生する。モニターマンは直接アーティストとやり取りします。その中で音響理論などを交えて、相手を納得させることができるようになっていって、信頼関係が構築されます。さらにライブ会場となる大きな空間で音を出すと、当然そこでもいろいろなことが起こります。しかしアーティストとの信頼関係がすでにできているので、さらに会話を重ねることで、よりよい音響に仕上げていけるのです。
最後の一人はPAマン、PAミキサー。コンサート音響の全体を統括する役割です。2人目からPAマンになるには、5年はかかると言われています。PAマンはコンサートに来ているお客様とアーティストを満足させるのはもちろん、アーティストにサウンドプロデューサーがついている場合は、そのプロデューサーも納得させる必要があります。彼らを納得させると、その人を信頼しているアーティストは一切こちらのことを疑わなくなってくる。
そしてPAマンは音だけを考えてコンサートをやってはいけない、というのが持論です。「いい音だった」と言われるのではなく、アーティストと照明などの他セクションと息を合わせて、「いいコンサートだった」と全体を評価してもらえるように力を尽くしています。
PAマンの卓。ここが一番落ち着く場所(笑)。
大切なのは自分の軸を持って
バランスを考えること
今はライブの感想をSNSで上げる時代になりました。しかしそれらの意見に流されてしまうと、自分の中で迷いが出やすい。私も「こう書かれたからこうしよう」と間違ったことをしてしまったことがあって、やはり冷静でないとダメだということを実感。でもしっかりしたアーティストは、現場のことを理解している。私もアーティスト自身から「そういうのには惑わされない方がいい」とアドバイスを受けたことがあります。大勢のお客さんのためにいい音を作らないといけないのに、作る本人の気持ちが定まっていないと、何が何だか分からなくなる。それは絶対やってはいけないことだと思います。
ステージを見たお客さんが感動して泣いたり笑顔になったり……。そんな姿を見ることができた瞬間、この仕事のやりがいをひしひしと感じます。
私の座右の銘は「バランス」という言葉。たとえばミキシングするのに1つの音だけ気にしていると他のものがおろそかになるから、全体のバランスを考えながら作っていかなくてはいけません。あとはアーティストから抽象的なオーダーを受けて、自分で方法を考えなくてはいけない時。コンサート全体のことを考えて、最良の答えを探す過程で、バランスの大切さを実感します。
バランス感覚は生き方においても重要です。ハードワークばかりして体を壊したらバランス悪いですし。たまにはうまく力を抜いて体調を整え、また一生懸命やる。そのバランス感をつねに持ち続けないといけないな、と改めて思います。
※リバーブ:鳴ったオリジナル音に対する反射音を生成し残響をつくるエフェクターのこと
次回は、今や年に何度も開催されるようになった大型フェスについて。大規模な会場ではPAにどんな苦労があるのか。どういう工夫で乗り越えているか、などをお話したいと思います。お楽しみに!
■PAマンのひとりごと
vol.01 はじめまして小野です
vol.02 音づくりの現場から
vol.03 街の劇場ホールが私たちの職場
vol.04 音づくりの基本「建築音響」との出会い
小野 良行 ヒビノ株式会社 サウンドシステムデザイナー
1976年にヒビノ電気音響株式会社(現ヒビノ株式会社)入社。
コンサート音響部門に所属し、数々の海外アーティストを手がけ、国内アーティストのツアーにも多数参加。ライブのサウンドエンジニアとして、56アーティストのチーフエンジニアを担当するなど活躍。現在は、大規模なイベントプロジェクトの音響を受け持ちながら、後任の育成などを担当している。
はじめまして。PAマン※の小野良行です。私は長年、ヒビノのPAとしてコンサートの音響の仕事に携わっています。昨今、テレビ番組などで裏方の仕事が紹介されることが増えた影響もあってか、「コンサートの裏側はどうなっているの?」という質問をいただく機会も増えてきました。そこで私のこれまでの経験を通して、「PAマンとはどんなことをしているのか」「PAの仕事の魅力」などについてこのコラムで紹介していきたいと思います。音楽好き、ライブ好きの皆さんに音楽の現場をもっと身近に感じてもらい、ライブをより楽しんでもらうきっかけになれたら、うれしいです。
自分の音楽を広げてくれた米軍基地の子どもたちとの出会い
まず第一回目のコラムでは、自己紹介をしますね。
私は父親の仕事の関係で埼玉にあるキャンプ・ドレイク(旧米軍朝霞キャンプ)のそばに住んでいました。中学生で同級生たちと初めてバンドを始めたのですが、キャンプ・ドレイクにいる子どもたちもロックをやっている少年が多かったんです。自然と顔見知りになり、「遊びに来ないか?」と誘われ、彼らの家をたびたび訪れた。部屋に行くと、LPレコードが裸でバーッと積んであって。自分たちが欲しかったアルバムばかりで、よだれが出るくらいうらやましかったな (笑)。中学生だからつたない英語しかしゃべれなかったと思いますが、子ども同士で「とにかく音楽が好き」という共通点があったので、自然に仲良くなれたんでしょう。
毎週金曜日にはキャンプ・ドレイクの中でパーティーが行われていて、僕らのバンドも出演させてもらいました。もちろん中学生だからギャラは支払われませんが、日本にはないような大きなコーラやフライドポテトをもらったりして。振り返ってみると、この頃から音楽仲間ができはじめて、多様な人たちと一緒にやることの面白さを知ったんだと思います。
音楽の裏方の仕事と出会ったのは高校生のとき。新宿のライブハウスや音楽喫茶にも顔を出すようになって、音楽仲間が増えていきました。そうすると連絡網ができて「今度こんな海外のアーティストを招聘するよ。手伝いに来ない?」と声をかけてもらうようになったんです。ちなみに下はイングランドのハードロック・バンドUFOが来日したときの写真。アーティストを迎えに行くなど、いろいろな雑用をやらせてもらった覚えがあります。ただ、このときはまだ自分が音響として音楽の仕事に携わることになるとは、夢にも思っていませんでした。
右から2人目が私、小野です。私の裏方人生はこの時代から始まったのかもしれません。
「こんな楽しいことができるの?」
衝撃だったPAという仕事との出会い
私がPAマンになるきっかけを作ってくれたのは、ヒビノに就職した大学の先輩。アルバイトに誘ってくれて、大学3年からスタッフとして働くようにもなりました。初めて行った現場は、エリック・クラプトンの日本武道館公演です。自分にとって音楽の神様みたいな存在の人のコンサートが初仕事だったので、運命的なものを感じました。最初はステージの解体作業やケーブル巻きなどの雑用をやっていたんですけれどね。
日本の音楽史上における伝説のコンサート「箱根アフロディーテ」でヒビノのPAの歴史が始まった(1971年)
でも先輩たちがやっている音響の仕事を見ていたら、とても興味がわいてきて。PAという仕事も知らなかったし、自分の好きなジャンルの音楽に関われて、かつお金がもらえるということに大きな衝撃を受けた。「こんな楽しいことができるの?」って(笑)。もちろん仕事は朝早くて夜遅いなど、キツイところはたくさんありますよ。でも、それに勝るものがあった。
バンドをやるのはもちろん楽しいけど、それよりもアーティストに対して音を作ることが、すごくワクワクした。ある意味、ミュージシャンに対して同等になれる仕事だと直感的に思ったんです。
忘れられないジェフ・ベックとの仕事
ヒビノがPA事業を始めたきっかけは、1970年の大阪万博で行われたライブコンサートで使用されていた、アメリカSHURE社の音響機材に注目したことです。その品質の高さにほれ込み「これは国内のコンサートや舞台の音響装置として売り込める!」と考え、国内販売代理業務を開始。ただ当時は、1ドル=360円の時代で売るのは非常に難しかった。そこで品質の良さを知ってもらうために音楽関係者に向けてデモンストレーションを行い、機材のセッティングやオペレートまでサービスしました。
ねらい通り、自分専用に購入したいという希望者が現れ、口コミで評判が広がっていきました。そのうちに「購入するのは無理だけれど、貸してほしい」という問い合わせが来るようになり、レンタルサービスを始めるようになり。機材のレンタルに加えて、セッティングとオペレーションを組み合わせたPA事業部が設立されました。
SHUREボーカルマスターのデモンストレーション(1970年)
それと同時に、海外のアーティストが日本でコンサートを行う時、機材を持ってくるのはお金がかかってしまうので、「日本でレンタルしたい」という要望がありました。そこでヒビノが機材を貸し出すように。エンジニアは海外から来ますが、ヒビノのスタッフが彼らのオペレートを横でサポートしていくわけです。ツアーに同行すれば毎日作業を見ることになり、次第にスキルがついてくる。そうすると自然に「面白そう! 自分たちもやってみたい!」と考えるようになって。当社の先輩社員はそうやってPAの仕事をものにしていったそうです。
私がアルバイトとして入社したのは1974年ごろ。すでにヒビノの中でもPAの仕事は確立していたので、先輩たちの仕事ぶりを見て、一つずつ覚えていきました。
PAとして駆け出しのころ思い出深いのは、ジェフ・ベックのツアーに同行した時のこと。FOHエンジニア※はもちろん海外の人でしたが、予算の都合でモニターマン※が来ていなかった。それでヒビノから人を出すことになって、私が担当することになりました。もちろん通訳はつきますが、音楽のことなので、言葉が分からなくても言いたいことは伝わってくる。「それはもうちょっと上げろ」とか「下げろ」とか。「もっと音を固くして」といったリクエストが飛んできて。もともと私はギター少年だったので、ジェフ・ベックはエリック・クラプトンと同様に神様のような存在でした。作業自体はそんなに難しいことはしませんでしたが、彼のサポートをできたのは、やはりすごくエキサイティングなできごとでしたね。
※PA:「Public Address」の略で、「大衆伝達」の意。その役割は、音声や音楽を、音質および音量を調整し、スピーカーから聴衆に向けて伝達すること
※PAマン(PAエンジニア):電気音響設備を用いてPAを行う技術者
※ステージマン:ステージ上のマイクやスピーカーといった音響機器のセッティングを担当
※モニターマン(モニターエンジニア、モニターミキサー):ミキサー卓に座り、モニタースピーカーという演奏者のためのスピーカーのミキシングを担当
※FOHエンジニア(ハウスエンジニア、ハウスミキサー):FRONT OF HOUSEの略。ハウスとは劇場の意味。アーティストなどと共同で音づくりをし、観客のために音を仕上げる最高責任者
第一回目の連載コラム、いかがでしたか? 今回は私自身がPAになったきっかけや思い出などをお話ししました。今後も、PAマンのリアルな思いをつづっていきたいと思いますので、お付き合いください。
次回はPAの仕事の中身について、ご紹介したいと思います。
■PAマンのひとりごと
vol.01 はじめまして小野です
vol.02 音づくりの現場から
vol.03 街の劇場ホールが私たちの職場
vol.04 音づくりの基本「建築音響」との出会い
小野 良行 ヒビノ株式会社 サウンドシステムデザイナー
1976年にヒビノ電気音響株式会社(現ヒビノ株式会社)入社。
コンサート音響部門に所属し、数々の海外アーティストを手がけ、国内アーティストのツアーにも多数参加。ライブのサウンドエンジニアとして、56アーティストのチーフエンジニアを担当するなど活躍。現在は、大規模なイベントプロジェクトの音響を受け持ちながら、後任の育成などを担当している。
_では、「ヒビノ×EBONY COFFEE オリジナル・コーヒー」について伺います。音楽業界で歴史が長い老舗のヒビノですがコラボのきっかけは何でしょうか?
N:ヒビノさんの社員の方で当店のお客さんがいらっしゃって、もともとコーヒーが飲めなかったそうですが、うちのコーヒーに触れるうちに飲めるようになられて。ある時「じゃあ音楽にあうコーヒーって作れるの?」とオファーいただいたのがコラボのきっかけです。
_音楽とコーヒー。一見、別のものですが、コラボを受けようと思われた理由は何でしょうか?
N:ヒビノさんが「常に最高の音楽体験を提供したい」という信念のもとでやっていらっしゃって。それに対して、私たちも「最高の1杯で幸せをお届けしたい」が信念で。
また、当店は良いブレンドを作るために高品質な素材を仕入れます。ヒビノさんも良い音を出すために音響機材やマイク、そしてオペレーターさんやエンジニアさん含めて揃え空間を作る。これら信念の部分にジャンルは違えど共感するところが多く「ぜひ一緒にやらせてください」とお話ししました。
_実際にコラボが決まって、どのようなコーヒーを作りたいと思われましたか?
N:ヒビノさんは音と映像のプロフェッショナル。五感でいえば聴覚と視覚です。人々にライフスタイルを五感で楽しんでもらいたいと思い、当店がブレンドコーヒーで味覚、嗅覚を埋めていけたらという想いで始めました。
_もともと音楽はお好きだったのでしょうか?
N:はい、LPとシングルあわせて2万1000枚ほど持っていてCDは6000枚くらい。全部で2万7000枚ほど収集しておりまして……
_すごく音楽がお好きなんですね! 最も好きなジャンルは何でしょか?
N:もちろんさまざま好きなものはありますが、最も好きなのはソウル、ゴスペル、ジャズなどのアメリカ黒人音楽です。音楽は人生の中で欠かせないものだと思っています。ヒビノさんのお仕事も音楽なので身近に感じています。
_では、音楽とコーヒーは中根さんにとっては密接な関係がありますね。
N:はい、好きな音楽を聴きながらコーヒーを飲むのは、安らぎでもあり日々の活力にもなり、 希望や勇気にもつながります。その時間は大切にしていますね。「良いコーヒーと良い音楽があれば幸せだなあと」(笑)。
_それでは、実際に「音楽に合うコーヒー」を作るにあたりどのような味にしようと思われましたか?
N:ヒビノさんからの依頼として、朝から夜まで音楽に包まれているような方に、どの時間帯やシーンにも寄り添うコーヒーを作ってほしいと。そのためのキーワードとしては「笑顔」、「生命の躍動」、「満ち足りた時間」といったものです。
_日常の音楽を聴くどんなシーンにも合うコーヒーというお題、難しそうですが……
N:私たちが考えたのはどのシーンでも共通するのはポジティブなイメージ。その中で、朝はテーマの生命の躍動、夜は癒しや安らぎを求めると思います。当店のコーヒーは香味の幅広さがありますので、味の入り口と出口の両方の個性を活かしながら、それぞれのシーンを表現するよう努めました。
朝の場合は第一印象の躍動感をフレーバーで表現しました。夜は安らぎなので、余韻や後味といったアフターテイストの心地よさを大切にしました。癒しの部分ではフローラルで華やかな香りも織り交ぜました。朝と昼、夜、どれにもマッチする味を1つのコーヒーで表現するため、個性的なキャラクターの香味バランスを徹底的に検証しました。
キーワードのポジティブさを共通項にして、気分が落ち込んでいるときでも、躍動している時でもお昼の活動的な時でもどれにもマッチするコーヒーといいますか。「気分を高めて幸せを感じていただきたい」という想いがヒビノさんのコーヒーには込められています。
_実際の味を言葉にするとどういったものでしょうか?
N:まず依頼がシティローストというバランスがとれたものです。味は、柔らかな果実味とふくよかなコク、それにフローラルな香りにほんのり甘い余韻が心地良い、透明感のあるフレーバーに仕上げました。
ジューシーさとボディ感の調和を重視した、バランスの良い香味も特徴です。
_こちらも『EBONY COFFEE』さんのブレンドの作り方であり、1年間味が変わらないって味を楽しめるのでしょうか?
N:はい、当店の他のブレンドと同様、オリジナルの香味レシピをもとに作ります。また、コラボレーション商品の場合、企業が在庫を管理して、注文が入ったらそこから送るというイメージがあるかもしれませんが、今回は最高のコーヒーを味わっていただけるように、当店から直送させていただけるようにご配慮いただきました。ご注文いただいて、焙煎した当日のとても新鮮なものを発送させていただきます。
_豆が劣化していない最高の状態のものを味わえるのですね。では、できあがってみての感想はいかがでしょうか?
N:うちのコーヒーに家族が増えたような感覚です。このヒビノさんのコーヒーはうちのラインナップにはなかったものですから。毎日必ずこれを飲んで、同じ味をキープするために何を調整していけばいいかなどを毎日考えています。
_毎日飲んで研究と調整なのですね。ちなみに、毎日飲むのは胃が荒れたりからだに悪かったりしませんか?
N:むしろその逆ですね。私は開業する前にもともと胃や胆嚢などに数点ポリープがありました。店をはじめてからはコーヒーを1日10杯ほど飲んでいるのですが、1年後に人間ドックをうけたらポリープが全部消えていました。
この店を夫婦2人ではじめる時に「死ぬ前日まで働きたい」という共通の目標があり、それは現在も変わらない想いですが、そのためにはからだに良いものを扱ったほうがいい。良質なスペシャルティコーヒーはそれにうってつけのものだと思います。
_それでは最後に、購入された方が美味しくこのオリジナルコーヒーを飲むためのコツを教えてください。
N:まず、大前提としてコーヒーを美味しいかどうかは素材の味が良いかが9割占めていると考えます。たとえば90点の香味のコーヒーは初心者の方が淹れても85点までしか下がらないかもしれませんが、30点のコーヒーを世界のトップバリスタの方がすごい技術を使って抽出したとしても……最高点は30点。つまり淹れ方で香味が多少落ちることがあっても、素材以上に美味しくなることはないんです。
なのでこのヒビノコーヒーはどんな淹れ方をしても必ず美味しいというのが大前提にあります。
_味はほぼ素材で決まるのですね。その中で初心者でもできる大切なことは何でしょうか?
N:まず、推奨するのは豆のままでご購入されること。コーヒー豆は空気に触れる面が多くなるほど酸化のスピードが早くなります。豆の状態と粉の状態の酸化速度の差は1000倍くらい違うと聞いたことがあります。
「粉は豆より半分くらい風味が落ちる?」くらいにお考えの方も多いのですが、1000倍悪くなる、健康にも悪くなるのです。香りもなくなってしまいますし、もったいないです。
今、ミルが手軽な時代。アウトドアの方がよくポータブルミルを持っていらっしゃいますが、現在では500円程度から買える時代。電動のミルでも2~3千円から。コーヒーを長く、健康的に飲みたいのであればミルを買っていただきたいです。ほんの少しの手間で、香りから楽しむことができるようになります。
_豆で購入することですね。保管方法はいかがでしょうか?
N:1つは密閉。もうひとつが冷凍です。開封していない状態だったら袋のまま冷凍して大丈夫です。また、密閉が弱い状態で豆を冷凍すると肉や魚など他の食材の香りを吸ってしまう。そうするとコーヒーから香りが飛んでしまいます。
密閉はジップロックでもよいですし、シリコン付きの保存容器などを使ってもよいです。外気に触れさせないという意味で劣化を軽減します。この保存方法で豆なら3ヶ月くらいは味が大きく劣化しません。
ちなみに、常温保存の場合、豆だったら高温多湿を避けた状態で2週間くらいは大丈夫です。
_上級者の方はそのように保管されているのですね。
N:上級者の方や消費ペースが速い方の中には、常温保存で豆の味の変化を楽しむという方もいらっしゃいます。当店では焙煎した当日のものを発送しますが、当日は焙煎の味がまだ強く出ていますので、翌日や翌々日になると多少熟成されて甘味等が増していきます。ただ、甘味が増すのと同時に酸化も進むので、その丁度良いタイミングで冷凍される方もいらっしゃいます。
でも農作物なのでワインと違って、長く熟成させると美味しくなるものでもないんですよね。 長くても2週間くらいが限度です。
ただし粉の場合は酸化による香味の劣化が早いので、それを防ぐために即冷凍するのが良いです。
あとは、ペーパーやネルでのハンドドリップを推奨しています。ただ、大切なのは豆自体の質ですから抽出の方法はそれほど重要じゃないと考えています。フレンチプレスやエスプレッソマシーン、コーヒーメーカーでもよいと思います。
_それでは、最後に購入される方にメッセージをお願いします。
N:私たちはもともとどんな職業を選んだとしても、仕事をする上で何らかの形で社会貢献したいという想いを強く抱いていました。その意味でも当店のコンセプトは、 提供したコーヒーによって、豊かな心で満たされてほしい。飲んだ方が「仕事がんばろう」とか「人に優しくしたい」と思っていただけたら。些細なことでもありますが、そのようなことの積み重ねによって社会はよくなっていくという想いがあります。「コーヒーを飲んで幸せな気分になりました」といった感謝のお声を頂きますが、それが私どもの幸せです。
『EBONY COFFEE』
2011年開業。世界に5%程度しか流通していないスペシャルティコーヒーの中でも、ハイエンドの品質の豆のみを取り扱うスペシャルティコーヒー専門店。「最高の一杯」のために、最高品質の素材(生豆)を厳選し、輸送や管理にも徹底的に配慮、日々の異なる気象条件に適したローストで、理想の香味を実現しています。コーヒーの各種セミナーや、飲食店等への卸売販売も拡大中です。
東京都世田谷区奥沢6-28-4 ワイズニール自由が丘1F
TEL:03-3702-2027
OPEN:11:00~20:00
定休日:水曜(ただし水曜が祝日の場合は営業)
Edit:Takafumi Matsushita
Photograph:Taku Amano
ヒビノ×EBONY COFFEE オリジナル・コーヒー
]]>音と映像の世界で本物を追求するヒビノ。50年以上の歴史をもとに音楽業界で活動してきた老舗メーカーだが、この冬ハイエンドなコーヒー豆のみを取り扱うスペシャルティコーヒー専門店『EBONY COFFEE』とのコラボレーションによりオリジナル・コーヒーを販売した。
コーヒーに込めた想いや強いこだわり。その詳細を探るべく『EBONY COFFEE』に伺ってきた。中根夫婦で営むコーヒー専門店、そこには優しい面持ちとは裏腹に、コーヒー作りに対しては一切の妥協なく、熱いパッションが注ぎ込まれる。
苦労した点は? という質問に対して「もちろん責任感はありましたが、苦労というふうに感じたことはなかったですね。テーマをいただいて試行錯誤する瞬間は何よりも楽しく幸せなんです」と笑う。そこには真摯に上質なコーヒー豆と向き合いながらも自分達が楽しむ姿があった。
_まず、『EBONY COFFEE』の歴史について教えてください。
中根さん(以下N):9年前にオープンしました。もともとコーヒーが好きで全国各地の珈琲屋を巡るのがライフワークでした。行った店をノートにメモしたりして、数えてみると910店舗ほど行きましたね。そんなある日「スペシャルティコーヒー」との出会いがありまして。世田谷の千歳船橋にある『堀口珈琲』さんのコーヒーの、あまりの美味しさに衝撃をうけたのです。それが人生における転機となりました。
もともと将来はカフェをやろうかと思っていたのですが、最高の1杯を出すためには、何を追求すれば良いのか考えるようになったのです。果たして本当にカフェなのかと。出した結果が「最高の素材を仕入れて最高の状態で焙煎する」。つまりコーヒー豆屋さんとしてやっていこうと思い開業しました。
_910店舗もの喫茶店巡りはすごい数ですね。衝撃を受けたスペシャルティコーヒーはどのような味の違いがあったのでしょうか?
N: 初めて出会った時に衝撃を受けたのは、その圧倒的な“雑味のなさ”でした。逆に言うと良質なスペシャルティコーヒー以外のものは必ず雑味があります。一般的にいう渋みやえぐみと呼ばれるもの。それをやわらげるためにミルクや砂糖を入れるかたもいらっしゃいますよね。それまで飲んでいたコーヒーは、温かいうちは飲めるけど冷めると渋みが出てきたり、たくさん飲むと胃がもたれることもありました。
もともと私は体が強くて、珈琲は何杯飲んでも大丈夫だと思っていたのですが、1日中飲んでいると限界がありました。ただ良質なコーヒーの出会いとともにその悩みがなくなったんですよね。何杯飲んでも胃がすっきりしている感覚でした。
香りがよく個性的で、雑味もなく体にもやさしい。ここが他の珈琲とは圧倒的に違うところです。
_スペシャルティコーヒーは貴重なものなんですね。認定はどこかがやっているのでしょうか?
N:はっきりと定義づけするのは困難です。なぜならスペシャルティコーヒーの協会は世界中にいくつも存在し、それぞれ独自の判断基準があるからです。ただし共通して言えるのは、香味に関する基準を持っていることです。一見当たり前のように感じますが、じつはスペシャルティコーヒー以外は香味の審査がありません。生豆の欠陥(未熟、カビ、石の混入等々)の大小や豆粒のサイズ、生産地の標高など。つまり香味に言及してないので、おいしいという保証がないのがその他のコーヒーです。
対してスペシャルティコーヒーは、 たとえば香り、フレーバー、余韻といった「香味」を細かく採点します。
_スペシャルティコーヒーは世界中で作られているのでしょうか?
N:そうですね、ワインでよく耳にする「テロワール」ってありますよね。コーヒーも同様に、気候や土壌、地形など、環境によって味が大きく変化します。たとえば良い土壌で適切な栄養を与え、標高が高く昼夜の寒暖差が激しい環境下で育ったコーヒーチェリーは、身がしまって濃縮感や豊かなコクが生まれる可能性が増えていきます。
世界各国それぞれの環境に適したテロワールの中で、スペシャルティコーヒーは生産されています。
_『EBONY COFFEE』で扱う豆はどこのものでしょうか?
N:コーヒーも農作物なので野菜や果物などと同じように旬があり、その時に最も質が高いと判断した生豆を世界中から仕入れるため、都度ラインナップは変わりますが、東アフリカ、中南米、オセアニア、東南アジアなど生産地はさまざまです。もちろんすべてスペシャルティコーヒーです。
_よくコーヒーでケニア産、エチオピア産は耳にしますね。
N:はい、ただどの国でも品質はさまざまです。たとえば一言で「日本米」と言っても産地や品種などによって品質が違いますよね? 同様にたとえばケニアの中でも当然質に差があって、一概にケニア産だから確実に上質というわけではないのです。
そのため、私たちは流通の履歴など生産地が明確な「トレーサビリティー」を大切にして、高品質なコーヒー豆を仕入れています。たとえばコーヒーの生産国で有名な「グァテマラやエチオピアが入っているならおいしい」とイメージする方もいらっしゃいますが、これらが入っているのが重要ではなく、その中にどういう風味の個性が入っているかが重要です。
_なるほど。コーヒー豆は農作物とおっしゃっていましたが、やはり輸送状態によっては味の劣化などもあるのでしょうか?
N:もちろんあります。よく「心臓病、脳卒中、がんなどのリスクが低くなる」とか「ポリフェノールが豊富に含まれているので身体に良い」などと言われたりしますが、そのためには生産地での新鮮な状態をいかに持続させるかということが大切になってくると思います。
たとえば一般的に日本に輸入される豆は船でドライコンテナに積み、常温で運ばれます。赤道に近い生産地から長い期間をかけて高温多湿の室内に閉じ込められているのです。
コーヒーも農作物ですから……野菜なら腐りますよね?
_『EBONY COFFEE』さんはその輸送問題に対してどのようにされているのでしょうか?
N:当店は、スペシャルティコーヒーのパイオニア、堀口俊英氏(堀口珈琲代表取締役会長)が主宰するリーディング・コーヒー・ファミリー(LCF)という団体に加盟しております。LCFはコーヒーの栽培から精製に至るまでのプロセスを、生産者とパートナーシップを築くことにより、最高品質の希少なスペシャルティコーヒーを追求しているグループです。LCF専用に栽培精製された豆を中心に、独自のルートで生豆を確保しています。そしてリーファーコンテナ(温度コントロールが可能なコンテナ)の使用や、バキュームパックという真空パックでのパッケージ輸送などを行い、品質保持のためにも可能なかぎり全力を尽くしています。
_なるべく今旬の高品質な豆を世界中から探し、現地と変わらない状態で仕入れることにこだわっているのですね。『EBONY COFFEE』に来れば最高品質のコーヒー豆が買える。
N:はい、そうですね。お客様からよく「お店に入った時の香りが全然違いますね」と言われます。その時最も良質な生豆を見極め、劣化臭のない状態でご提供します。そのため旬の野菜や果物と同じように、豆のラインナップも定期的に変えていますね。
_今回のコラボレーションもそうですが、ブレンドもその質が高い豆を組み合わせるのですね。
N:じつは高品質な生豆を仕入れるのは、最高のブレンドを作るためでもあります。私たちがブレンドづくりに対して最も大切にしているのは「目指した香味をブレなく表現する」ことです。
古くからブレンドといえば、ブルマンブレンドやエメラルドマウンテンブレンドなど、ベースとなる生産地の豆を決めて、そこに別の豆を加えていく方法がありました。
ただ、農作物であるコーヒー豆は、季節によって味が変化しますので、同じ豆を使い続けると味もブレてしまいますよね。なので、私たちは最初にどういう香味にするかを定め、それを作るための豆を季節ごとに吟味し、変わらない安定した味を提供することに努めています。なので、その時によってブレンドする豆はさまざまです。
_変わらない味を提供するには毎回の試行錯誤が必要なんですね。
N:そうです。作りたい味を細かくレシピづけしており、たとえば、粉の香りやお湯を注いだ液体の香り、口に含んだ時の第一印象、余韻、甘味、酸味、苦味など。またボディと言われるコクや粘性、クリーンさ。これらのバランスを考えて旬のスペシャルティコーヒーをうまく調合しながら通年ブレのない味を作り続けるよう努めています。
_先に出したい味を決め、逆算してどの豆を使ってどう調合するかを決める……難しそうですね。
N:そうですね。でもそこがコーヒー屋の醍醐味であり、重要な仕事だと思っています。そのため常に味覚訓練で経験を積んでいます。旬の豆の香味を知り、どれを組み合わせるとどういう香味になるかをイメージしていきます。焙煎の時間もその時の豆の味や状態を確認して調整していきます。
よく「ブレンドはマイルドになって味がぼやける」と思う方もいらっしゃいますが、「それぞれの豆の良い個性を活かし補い合う」というのが当店のブレンドのコンセプトです。
『EBONY COFFEE』
2011年開業。世界に5%程度しか流通していないスペシャルティコーヒーの中でも、ハイエンドの品質の豆のみを取り扱うスペシャルティコーヒー専門店。「最高の一杯」のために、最高品質の素材(生豆)を厳選し、輸送や管理にも徹底的に配慮、日々の異なる気象条件に適したローストで、理想の香味を実現しています。コーヒーの各種セミナーや、飲食店等への卸売販売も拡大中です。
東京都世田谷区奥沢6-28-4 ワイズニール自由が丘1F
TEL:03-3702-2027
OPEN:11:00~20:00
定休日:水曜(ただし水曜が祝日の場合は営業)
Edit:Takafumi Matsushita
Photograph:Taku Amano
ヒビノ×EBONY COFFEE オリジナル・コーヒー
]]>フェスのシーズンは夏!ですが、ここ最近では、回数の違いはあれど、1年を通じてさまざまなエリアで開催されています。
特に冬の時期は、室内外関係なく寒い!準備や装備がフェスを楽しめるか否かを左右します。暖かい恰好で過ごしたいけれど、なるべく軽装備でいたい……!という思いを持っている方はたくさんいるはず!
そこで、冬の時期に開催されるフェスにおすすめのグッズを紹介します。
◆マウンテンパーカーorウィンドブレーカー
冬のフェスで注意したいのは寒暖差ですよね。会場内外を行ったり来たりする場合もありますし、踊って汗をかき、そのあと汗で身体が冷える……ということもあるので、軽くて着脱しやすい防寒具はマスト!
着れば身体を暖めてくれ、思いっきり踊って暑くなったら腰に巻くことができる登山用のマウンテンパーカーもしくはウィンドブレーカーがおすすめです。
冬のフェスは移動の際の服装と会場内に入った際の服装、両方考える必要がありますが、会場内も案外寒かったりしますよね。かといって、クロークでいちいち出し入れをするのも面倒……というなかなかの悩みどころだったりします。
そんなときにさっと羽織れるマウンテンパーカーやウィンドブレーカーはとっても便利!ちょっとビビットな色にして、ファッションに取り入れてもよさそうです。
◆靴用カイロ
コートやヒートテック、厚手のストールなどできちんと対策される上半身に対しておざなりになりがちな下半身。特に外でじっとしているときに下からの冷気って、意外と身体を冷やしますよね……。
そこでおすすめしたいのは、靴用カイロです。足先から暖めてくれるので、体感できるポカポカがまったく違います!女性だと末端冷え性の方もいると思いますが、おすすめですよ。
低温やけどの可能性もあるので、少しサイズの大きめな靴と登山用の厚手のソックスと合わせると◎
◆マフラータオル
身体を暖めたいときは、三首(首・手首・足首)を暖めるといい、と言われています。手首や足首は服装でカバーできるとしても、意外と首元は露出しっぱなし……という方も多いのではないでしょうか?
マフラーや厚手のストールを持参して暖めてもいいのですが、意外とかさばりますよね。少し長めのマフラータオルであれば、首元を暖めてくれますし、暑いときには汗を拭くことができます。会場内の物販売り場で手に入るお手軽さもGOOD!好きなアーティストのマフラータオルを探してみてはどうでしょう?
◆汗拭きシート
なんだかんだ汗をかく冬フェス!持っておくと安心できるのが汗拭きシートです。ウェットティッシュでもいいかもしれません。かさばらないのでバッグのなかにさっと忍ばせ、必要に応じて使用しましょう。
冬は、汗冷えやべたつきが他の季節と比べても気になりますよね。値段が安いだけではなく、タオルの代わりとしてサッと拭いてサッと捨てられるのも便利ですよね。着替え用のTシャツとセットで持っておくとより良いかもしれません。
◆まとめ
年末年始をはじめとした冬のフェスはいかに防寒できるか、がポイントになると思います。1日の動きをシミュレーションしつつ、どれくらい外で過ごすことになるのか?会場内での滞在時間を考えながらコーディネートや持ち物を決めるといいかもしれませんね。
音楽を楽しむのに、季節は関係ありません。冬の寒い時期だって、暖かい恰好をしつつ体調管理も徹底し、冬のフェスを思いっきり楽しんでくださいね!
野外で行われる夏フェスで必需品の1つと言われるバスタオル。会場では傘をさすことが禁止されているケースがほとんどなので、バスタオルがあれば強い日差しから身を守ってくれます。もちろん汗がふけるし、逆に日が落ちて涼しくなれば、防寒具としても活用できる。かなり重要なアイテムですが、大きな問題点が…。それは荷物が重くなってかさばること。
「軽くてコンパクトになるならラクなのに」といった夏フェス愛好家の要望に応えるバスタオルがHIBINO LIVE STYLE LABに登場!
その名も「ヒビノ×みやざきタオル ヒビノ オリジナル・タオル」です。
こちらの製品を開発したのは、HIBINO LIVE STYLE LABですでに販売されている「ヒビノ×横濱帆布鞄 オリジナル・サコッシュ」も手掛けたヒビノ株式会社 経営企画本部 粕谷智江さん。もともとスタッフが現場で使うタオルを開発していましたが、その過程で「夏フェスでも使える大判のタオルも作ったらいいのでは?」ということでタオルメーカーと話し合い、製品化したそう。
今回はHIBINO LIVE STYLE LAB第二弾商品となるオリジナル・タオルの製作プロセスについて、粕谷さんにくわしく説明していただきました。
挑戦を続ける今治タオルの老舗メーカーとコラボレーション
左 コンサートスタッフも使用しているショートサイズ
右 3カラー、3サイズ展開
「コンサートスタッフにタオルは必携です。スピーカーやアンプ、LEDディスプレイ等の音響・映像機材を設置する際、タオルを首に巻いて作業をすることが多い。なんとか、そのタオルをヒビノらしいスタイルのものにしたいと考えたのがきっかけで作り始めました。」
最初にポイントとしたのは、品質にこだわるということ。粕谷さんは「タオルといえば愛媛県今治市の“今治タオル”」と考えネットを検索し、今治タオル工業組合というサイトを見つけました。100数社が掲載された名簿一覧にある会社の情報を可能な限りネットで調べました。そこで見つけたのが老舗メーカーの「みやざきタオル」でした。
なぜ、みやざきタオルに魅力を感じたのでしょうか?
「みやざきタオルさんのことを調べていて“タオルのイノベーション”を掲げていることを知りました。これが、ヒビノの企業姿勢と同じでして。創業時から、ヒビノにはイノベーションを起こす創造的な企業文化があります。ヒビノならではのタオルを作ってくれるのは、ここしかない!と、サコッシュ製作の時と同様、決め打ちでみやざきタオルさんに連絡を取りました。」
1896年創業のみやざきタオルは、さまざまな新しい試みに挑戦し続けてきました。たとえば1988年~1999年には旭化成のキュプラを配合したパイル生地の朝シャンタオルを開発し、話題を集めました。90年には日本発のオーガニックコットン製のタオルを生産開始。96年、肌触りのよい上質コットンであるスーピマオーガニックコットンを用いたタオル生地によるマフラーを企画し、3年後の1999年にオリジナルモデルを完成、販売しています。
「今では多くのメーカーが作っているタオルマフラーの先駆けがみやざきタオルさんと知り、ますます興味を持ちました。後から伺った話ですが、タオルマフラーに関する特許はあえて取らず、今治のタオル産業発展のために、他社のタオルマフラーの製造を歓迎したそうです。」
ヒビノ オリジナル・タオルの製造風景 in今治
まず、粕谷さんが始めたのは、みやざきタオルさんの製品を自分が実際に使ってみることでした。
「みやざきタオルさんが作っているのは、独自に開発したタオル地を使ったオリジナルのマフラーやショールで、いわゆる一般的なタオルというものは販売されていませんでした。織りや素材の違いでいくつかのタイプがあり、夏真っ盛りの時期に毎日の通勤で全タイプのマフラータオルを日替わりで首に巻いて使い、使用感を確かめました。」
夏フェスのタオル問題を解決
真夏に、みやざきタオルの製品を試し使いしていくうち、粕谷さんは、自身の経験から夏フェスで使える大判タオルの開発を思いつきます。アーティストが販売する、記念や思い出用のタオルとは違う、実用的なんだけどおしゃれにも見えるタオル。そう言えば、あるようでなかったかも。
「初めてフェスへ行った時、友人からバスタオルを持っていくよう勧められたのですが、かさばるし重いしで持って行かなかったんです。が、炎天下の会場に行き、バスタオルを持参しなかったことを激しく後悔しました。以来、日焼け対策としてフェスで使える実用性のある大判タオルの必要性を感じていました。せっかくヒビノでオリジナル・タオルを作るなら、現場スタッフが使えるもの以外に、みやざきタオルさんオリジナルのタオル地で、フェスへ持っていけるタオルも開発しようということになりました」
タオル地の選定には、社員がプライベートで行くフェスで実際に使ってもらったり、コンサートスタッフに現場で使用してもらう等して多くの意見を集めたとのこと。
「フェス用に選んだのはキュプラ30%、コットン70%の素材です。軽く、絹のような肌触り、いわゆる一般的なタオルとは違う素材感のもの。コットン100%のものと比べると、重さの違いはマフラータオルサイズで10数g。たった10数gの差と思いきや、真夏の使用となると、こんなにと思うほど、体感温度に違いを感じます。さらにUVカット効果があり、キュプラが混ざっていることで乾きも早い。これぞ、夏フェス向きタオルです。」
一方、現場仕様のタオルは、コットン100%の素材が使われています。
「現場スタッフ用のタオルは短めの丈で、首に掛けても落ちないようにタグを付けました。タグの縫い付けには、生地にある程度の厚みが必要で、キュプラ混紡の薄手の素材は、現場用タオル生地には不向きでした。とは言え、コットン100%で重さは46g。首の日焼け対策やターバン、汗拭き用にと、このサイズもフェスで重宝しますよ。」
またオリジナル・サコッシュと同様、オリジナル・タオルも色味にこだわったそうです。
「スタッフは黒が基調の服装のため、差し色になるように、当初は明るい色で検討していました。ヒビノのロゴカラーであるブルーとレッドを取り寄せ、現場のスタッフに実際に首に巻いて着用してもらいましたが、『この色は絶対に使わない』と言われて即却下。色はきれいだけれど、仕事では無理とのことでした。」
たしかにブルーやレッドは顔回りが華やかになりますが、裏方で働くにはあまりふさわしく見えません。最終的には、ブラック・ネイビー・チタンという3色を製作することに。
タオルのサイズはスタッフが現場で使う「ショート」、ストールとしても使える「レギュラー」、ショールにもなる「ロング」と3サイズ展開。
「どれも落ち着いた色、また一見タオルに見えないこなれたデザインなので、スーツやジャケットに合わせても大丈夫なんですよ。私も通勤やプライベートでショートやレギュラーサイズのタオルを首にかけて使っていますが、顔の汗を拭いていると周囲に驚かれます。そして、『タオルだからいいのよ』と言うと、さらに『ええ!』と2度驚かれています(笑)」
ショートサイズのタグには「HIBINO」のロゴが入っていますが、見せたくないときはタグを内側に入れ込んで使えばOK。巻き方、留め方次第で、いろいろなアレンジが楽しめるのがうれしい!
そして大判のロングサイズは、フェスで大いに活躍できる機能が満載。
「バスタオルサイズでも重さは135グラム、とても軽くて素材も柔らかいので、コンパクトにまとまります。日中は日焼け対策として、日が落ちてからは防寒対策として、また行き帰りの冷房の効いた電車やバスの中では羽織ものとして使えます。汗もしっかり吸収してくれますよ。絹のような繊細な手触りですが、バスタオル感覚でどんどん使って、どんどん洗って使い込んで風合いの変化を楽しんでください。」
フェスでのバスタオル問題は、これで解決できそうです。
タオルが入った透明なケースはポーチとして使えます
ヒビノ オリジナル・タオルは、ロゴ入りの透明なケースに入れられて販売されています。ケースには下着やTシャツをつめることができ、こちらも夏フェスで活用しそう!そして中の台紙は、スピーカーのネットや音響・映像機材を運ぶための機材ケースがデザインされていて、なかなか粋な演出が施されています。
ヒビノ×みやざきタオル ヒビノ オリジナル・タオル
]]>イベントごとは楽しみがいっぱいですが、1日中立っていたり、長距離を歩かなくてはいけなかったりで、けっこう体力を使いますよね。だからこそ、荷物はコンパクトが基本。
今はサコッシュと呼ばれるコンパクトなショルダーバッグが人気ですが、荷物が入りきらなかったり、素材が頼りなかったりと、なかなか満足のいくものが見つからない。
「実用的かつ、デザインもシンプルで服に合わせやすいサコッシュはないかな」…と思っていたら、濃紺に赤のファスナーがおしゃれなサコッシュを発見しました!
これはコンサート音響や映像を手掛けるヒビノ(株)が開発した「ヒビノ×横濱帆布鞄 オリジナル・サコッシュ」です。PAや映像のスタッフが実際にコンサート現場で使っているもの。これはかなり頑丈そう!
サコッシュの製作に携わったのは、同社の経営企画本部で働く粕谷智江さん。ツアーで忙しいコンサートスタッフに時間をこじあけてもらい、打合せを重ねて現場の声を形にしてできたという小型ショルダーバッグ。丈夫かつシックなデザインのため、粕谷さん自身もプライベートで訪れるライブへ持っていくほどの愛用品になっています。
このサコッシュには、どんなこだわりがつめこまれているのか、お話を伺いました。
スタッフの使いやすさを追求
「スタッフはペンチやニッパー、カッター、メジャー、ガムテープなど、仕事でさまざまな道具を使っています。会社が支給している道具箱もあるのですが、実際に作業するときは、肩にかけることができる小型バッグを利用しているということがわかりました。」
スタッフの話から、バッグのタイプは最近人気のサコッシュでいこうと決めたそうですが、現場で重宝されるものにするために、どんなシチュエーションでどんなニーズがあるのか等、粕谷さんは現場スタッフに度々話を聞いたそうです。
「街でよくみかけるサコッシュはナイロン製のものが多く、ヒビノの現場には不向き。工具入れとしても使えることを考えると、丈夫な生地を使うことは必須条件でした。」
粕谷さんは、当初からコラボレーション先のメーカーは、迷うことなく「横濱帆布鞄」に決めていたそうです。海上自衛隊の船舶やテントに採用されている森野艦船帆布を使った鞄を作っている「横濱帆布鞄」。防水・耐光・耐塩・防炎に優れた森野艦船帆布は、厳しい現場環境でスタッフが使うには理想の素材でした。
さらに、単なるサコッシュではない、ヒビノの視点を持ったバッグ作りを目指し、スタッフへのヒアリングを重ね、現場の要望を吸い上げていきます。
「こちらが全く予想していなかった要望に、カラビナを装着することができるループ(輪)がありました。それも一つではなく複数欲しいと。皮手袋やガムテープなどいちいち中身を取り出すのが面倒な道具を、カラビナという金具をループに取り付けてぶらさげておいて使うそうで、カラビナループは必須ですと。」
製作にあたっては、横濱帆布鞄の鈴木社長から、さまざまアドバイスを頂きながら進めたそうです。スタッフが実際に使っているバッグの中身の写真を見せて、大きさやマチの幅等の仕様を検討していきました。最初のサンプルは縦長タイプ、横長タイプの2種類で、音響・映像のスタッフ数名にモニターとして数か月間試用してもらい、さらに現場の声を集めたそう。
ニッパーやメジャーなど、スタッフのカバンにはたくさんの道具が!
世に出ることのなかった、幻の縦型サコッシュ
実際の現場で使用したスタッフからは率直な感想があり、いろいろな発見があったとか。
「絶対に外ポケットが欲しいという意見が出ました。当初、個人的には反対でした。サイズや形から幼稚園バッグを連想してしまい、子供っぽくなってしまうのではと思ったからです。とは言え、『ペンや行程表を入れたい!』との意見を尊重し、ヒビノ10訓のひとつ「現場主義」に従って、最終的には外ポケットを付けました。確かにいちいちジッパーを開けて確認するのは面倒、使いやすくないですよね。横濱帆布鞄の鈴木社長に現場の意見、私の意見を話したところ、『ボタンをつけてみては』というアイデアをいただき、今のタイプに決まりました。デザインも大人っぽくまとまったと思います」
コンサートの黒子が使うサコッシュ
一番の特徴は、丈夫な素材。横浜・かもめ町の森野帆布船具工業所の特殊な帆布生地を使用しています。この森野艦船帆布は、日本で初めて開発されたビニロン繊維。帆布の両面に防水性を有した塩ビコーティングを施し、さらに耐光・耐塩・防炎処理加工された特殊生地で、屋外の現場などハードな環境にも十分耐えることができます。
今回の制作で、粕谷さんが改めて知ったのは、実際につけてみることの大切さだそう。とくに色選びに関しては、実際に身につけてみないと分からないことだらけだったとか。
「バッグ本体の色はすぐに決まりました。現場でのスタッフの服装は「黒」が基調。スタッフたちは、目立つことを好みません。とは言え、黒の洋服に黒のバッグではあまりに味気ないので、本体はあえて濃紺に。サンプルは、ステッチを明るいブルー、ファスナーの色を黒と赤の2種類で作ってもらいました。スタッフの多くが黒ファスナーを好みましたが、私としては、ぱっと見てヒビノのバッグとわかるインパクトが欲しく、「赤」と「ブルー」を効かせたタイプでいきたいと考えていました。「赤」と「ブルー」を選んだ理由は、ヒビノのロゴに使われているカラーだからです。」
最終的には、スタッフを説得するため、実際に赤・黒ファスナー両方のカバンを身に着けてもらい、写真を撮って見比べてもらったそう。黒ファスナーのバッグは洋服の黒に埋没して、バッグを付けていることすらわからなくなっている写真を見て、赤ファスナーのバッグに納得してくれたということです。また、サンプルの段階では、ポップな明るめのブルーだったステッチも、最後の最後に、今の深みのあるブルーに変更を決めたそう。常に冷静沈着に職務をこなすスタッフのイメージを表したく、ポップなカラーはイメージに合わないと判断し「ロイヤルブルー」という落着きのあるカラーが採用されました。こんな経緯で、サコッシュではあまり見かけないシックな色味と特別感が生まれたのだと知りました。
またサコッシュのサイドには、コラボレーションの証として横濱帆布鞄とヒビノのロゴがついています。
「ヒビノのロゴをカラーにするか、白抜きにするかは、現場の意見を尊重しました。実際に使う人たちがいいと思うものでなければ使ってもらえないですから。バッグに紙で切り抜いたロゴを貼りつけ、見比べができるよう写真を撮り、音響チームと映像チームのメンバーに多数決をとってもらいました。結果、本当に僅差で白抜きのデザインに決まりました。」
「ライブへ行くときに愛用しています」
このサコッシュは現在ヒビノのスタッフが使用していますが、粕谷さんもプライベートで活用しています。
「私は今の仕事に関わるようになって、ライブへよく行くようになりました。そんなときに、このサコッシュが大活躍してくれています。お財布や携帯電話、ちょっとしたお化粧道具、時には傘も入れちゃいます。開口部を広くしたので、中身が取り出しやすい。何より身軽に動けるので重宝しています。」
さらに落ち着いたデザインとカラーなので、Tシャツなどラフな服装はもちろん、通勤着などにも合いそう。ハンドメイドで1つ1つていねいに作られているのも魅力です。
サコッシュの今後の展開や新商品の予定は?
「次に作る時は内ポケット作ろうと思っています。現場から強い要望がきてまして。このサコッシュは、当社のコンサートスタッフだけでなく、音楽フェスやスポーツ観戦等、さまざまなシーンで多くの方に使ってもらいたいと思っています。その視点も加えて、少しずつバージョンアップしていきたいですね」