“コロナ禍の自粛ムードの中で、フェス業界の動き”

日々、伝えられるコロナ感染者数。日本、世界ともに外出規制を行った春から時が経ち、今はコロナを意識しながらも、様々な文化的分野が再度立ち上がる動きをみせている。

では、音楽業界ではどうか。リモートフェスなど人との接触を避けながら行われてきたライブ活動。ただ、どのアーティストも願いは一つだった。“また、いつか必ずみんなの前でライブする日が来ますように”。

まだまだ続く自粛ムードの中で、ライブを行うためには、誰かが先陣をきってアクションを起こさなければならない。9月に開催予定だった「スーパーソニック」は、そんな音楽・フェス・ライブ業界にとって、力強い希望の光となるはずだった。

ただ、世界的にコロナ感染は拡大を続ける現状。「新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止」対策下における日本への入国規制の見通しが立たないこともあり、「スーパーソニック」は来年へ延期が決定した。


『SUMMER SONIC 2020 Archive Festival』を開催

サマーソニックの主催者であり、今年はクイーンの招聘を手掛けるなど洋楽シーンを牽引するプロモーターのクリエイティブマンプロダクション。毎年、幕張メッセで行われていたサマーソニックだが、今年はオリンピックイヤーのため会場が使えないことからコロナとは関係なくお休みのはずだった。


が、コロナという想定外の危機が世界を襲ったため、サマーソニック以外のフェスや来日予定だった海外アーティストのライブを中止や延期せざるをえない状況に。その数、なんと30アーティスト以上だという。そういった音楽業界の流れの中で、国内外問わず、ライブが規制されリモートフェスなど映像でのライブ映像が届けられる日々が続いてきた。

そんな中でサマーソニックは、オンラインフェスティバル<SUMMER SONIC 2020 Archive Festival>を夏に配信した。これまで<サマーソニック>に出演したアーティストたちのライブ映像を各日24時間限定で配信するというもの。自宅にてゆっくりと好きなアーティストのライブ映像を楽しむことができた。




一度限りの『SUPERSONIC』を開催予定だったが来年に持ち越し

昨年、サマーソニックが20周年を迎え大成功を収めた。ただ今年はオリンピックイヤーだったため、会場でもあった幕張メッセが使えずに、お休みのはずだった。ただ、野外ライブとしてメイン会場だったZOZOマリンスタジアムやビーチ、外周は使用できるということで、クリエイティブマン30周年というのもあり、一度限りの音楽フェス、スーパーソニックを行う予定で進んでいた。来日アーティストは、「THE 1975」、「FATBOY SLIM」、「SKRILLEX」、「LIAM GALLAGHER」から日本からも「ASIAN KANG-FU GENERATION」、「きゃりーぱみゅぱみゅ」などなど豪華布陣。ただ、現在の社会の状況から、海外アーティストの日本来日への不安、来場者の「行っていいのかな」という不安が一層大きくなり、来年に持ち越されることになった。

【THE 1975】

【LIAM GALLAGHER】

【SKRILLEX】

 

来年こそは。諦めずに希望を持ち続けよう
今回のスーパーソニックの延期は、音楽ファンとしては、フェス再開の兆しとして先陣を切ってくれると楽しみにしていた。ただ、社会状況から考えると今回の延期は仕方がないこと。アーティストや音楽ファンの“これまでのようにライブを楽しみたい”。これは、もう少しおあずけにはなったが、今できることは、諦めずに希望を持って、パワーをためておくことかも。

来年、社会の状況がどう変化しているかは誰もわからない。ただ多くの人々の努力により健やかな社会が戻ってきて、これまでのようなフェスが再開できるようになったら、ためておいた音楽へのパワーを爆発させたい。我慢や苦労した分、希望がかなった時の感動はひときわのはずだ。


Text:編集部